IUC看護

今日のICU看護の先生(看護師)が
臓器移植カードを持った患者を
担当した時の体験を話してくれました。


40代の男性で、家族には過去に何度か
「万が一のときは自分の臓器は他人にやってくれ。」
と言っていたそうです。


でも、奥さんはドナーカードをご主人が
携帯していたとは知らず、
ご主人が事故にあって、財布をみて初めて
ドナーカードを持っていた事を
知ったそうです。


ドナーカードを発見した日


「看護師さん、大変です。主人がこんなカード持ってました!
 どうすればいいんでしょう!!」


って言われたそうです。
そして奇しくもご主人は脳死状態だったので、
奥さんは大パニックになったそうです。


看護師としては、患者の意思も大事に
しなくてはならないし、家族の意思も大事に
しなくてはならないので、とりあえず、
移植コーディネーターも交えて、
話し合いの場を設けることにしたそうです。


ドナーカードを持っているからといって
移植しなくてはならないというものではないので、
家族でよく話し合ってもらうように、助言をしたそうです。



でも、家族の気持ちって、移植コーディネーターと
話しても、毎晩、家族で会議開いても
整理できるってもんでもないんですね・・・・。


家族、親戚一同みんな集まって
毎晩会議をひらいたようですけど・・・・。


そして、看護師さんに

「看護師さん、私はこのまま移植しなくても
 多分、


 『何故、願いをかなえてやれなかったのだろう』

 
と一生後悔するでしょうし、もし、主人の意思を
尊重しても、



  『何故、主人の体に傷をつけてしまったのだろう』


とやっぱり、後悔すると思うんです・・・。」


と言ってきたそうです。そういわれて、そのICUの看護師は
「何も言葉がでなかった・・・・」
と言ってました。



脳死の期間は1〜2週間で有限です。
何時までも悩んでいられないのです。
1〜2週間で、答えを出さなくてはならない
苦悩は計り知れないそうです。



で、この家族は結局、移植をする方を選びました。
移植後、何ヶ月かして、
コーディネーターを通して、移植された人からの
お礼の手紙をもらったそうです。



そのお礼の手紙を読んだ時、ようやく
移植をするという選択が正しかったと思えた
ということを、わざわざICUを尋ねて、
看護師に話にきてくれたそうです。


それまでは、移植した後も、本当に
これでよかったのか?という苦悩の中に
いたそうです。


なんか、授業中、この話を聞きながら、
ちょっとウルウルしちゃいましたよ。


でも、もし、移植された人からの手紙が
無かったら、まだ苦悩の中にいたのだろうか?
とか考えちゃいました・・・・。


移植って、実際看護者としてかかわる場合、


「何も言葉がでなかった」


っていうIUC看護師のようになってしまう
事が多いだろうなぁって思います。


私は、自分の臓器は全て空っぽにして
身軽に天国に送り出してもらいたいと
思うが、それをちゃんと文書にして
家族に残さないと、家族が苦悩するんだなぁって
事がよく分かったので、
ちゃんと、文書を作らなきゃって思いました。