災害援助

今日のICU看護の授業の講師(看護師)は、
JAICAの災害医療に登録しており、
スマトラパキスタン地震の医療チームとして
派遣されたりした人です。


私が、基礎実習の時に付いていた看護師さんで、
「すてきだなぁ」って思う看護師だったのですが、
今日の、災害医療の話を聴いて、
ますます素敵に見えました・・・。


写真やビデオで、災害医療の様子を見せて
くれました。


質問コーナーなども設けてくれて、
色々と面白いことも分かりました。


JAICAの災害医療に登録している看護師は
実は1000人ほどいるそうです。
でも、その中で、動ける人間はわずか1割
だそうです。


なぜなら、皆、自分の仕事があるので、
病院の忙しい時期だと、どうしても参加できない
って事が結構あるそうです。


ちなみに、その看護師も、
「一度行くとなると2週間は戻れないので、
 その間のシフトの変更など、相当数の
 人々の犠牲の上に派遣が成り立っているので、
 災害があったからといって、毎回
 いけるわけではないんですよ。」
といってました。
もちろん、病院側も毎回許可は出さないそうです。


っていうか、毎回許可が出せちゃう暇な病院も
怖いですけどね・・・。
あとですね、ほとんどの病院が、
GO(政府組織)で派遣されるということで、
「出張」扱いになるそうです。
その代わり、報告書は、それなりに大変だそうです。


NGOでいく場合には、自分の有給を使うことに
なるようです。
まぁ、病院にも寄るんでしょうけど・・・。


写真を授業中見せてもらったとき、
「この子は、助けられなかったんですよ・・・」
という重度の貧血の子がいました。


「日本でなら、輸血でも何でもして助けることは
できるんでしょうけど、災害医療の原則として
現地の医療水準を越えないって事が大事なんです。」


と言ってました。
もちろん、低い医療水準で治療をするという意味では
ないですよ。最新の機器を使って診断したり、
手術もしますけど、薬や輸液を一人のために大量に使って、
治療したりはできないようです。


日本でなら、助からないと分かっている子どもに
対しても、輸液や酸素ボンベなども使うんでしょうけど、
被災地などでは、そういうことはできないようです。


昔、MSF(国境無き医師団)の日本人の看護師が、
「助からないと分かっている子に貴重な
酸素ボンベはつかえないんです。」
といっていた事を思い出します。
見捨てなきゃならないのは、精神的に
かなりキツイそうです。


まっ、普通に考えても、相当精神的に参るだろうことは想像できますが・・・。



また、話は、被災地の話になりますが、
なんか、NGOもGOもキャンプは隣接していて、
お互いに、得意分野があって、患者を紹介しあうそうです。
例えば、NGOは入院設備を持っているので、
入院が必要と判断したら、NGOのテントに行って
受け入れをお願いするそうです。


手術も同様に、手術専門で来ている医療チームに
依頼したりするそうです。
日本は、血液検査の機械や、
携帯レントゲン&エコーとかいう
世界に6台しかない器械(1台○億円)を
持っているので、それらを生かして
診断をしたりするようです。


でも、笑えるのが、血液の検査の
器械は、20分でほとんど全ての
データが出せるんですけど、
その器械に入れる前段階の遠心分離は、
手動なんですよ。


机にくっつけた竹トンボのような
形のものをハンドルでぐるぐる廻して
遠心分離するするらしいです。


なんというか、現地では最新のものと、
旧式のものを上手い具合に使っているようです。