自我は感覚器を通して現実を吟味します。
この現実を吟味する能力を
現実検討能力といいます。
これは、看護でよく使う見当識とは
違います。見当識は、「時間が何時か言える」とか
「どこにいるか分かる」とかそういうものです。


現実検討能力は感覚器、例えば目を通して
見えているものが、現実として認識できる
といったものです。何もないところを見て
「武士がいる」とか言うと、現実検討能力に
問題があると言えます。


もう少し分かりやすい例で行くと、
精神的に参っている時「離人感」というのも
感じる人が少なからずいます。
この離人感というのは、自我が弱っている時のものです。


離人感とは、自分と他人が切れているような感覚です。
目の前に人が見えているのに、それを現実と
して感じられず、自分の周りにベールがかかって
いて自分が孤立しているように感じるものです。
これも現実検討能力に問題が生じている状態です。


また、自我は注意力・集中力・記憶力を
統合して思考をします。
思考には第一次過程思考と第二次過程思考が
あります。
第一次過程思考は、具体的なことが分かり、
第二次過程思考は抽象的な話などが理解できます。
一般に、子供から大人になるにつれ、
第一次過程から第二次過程
になって行きます。

けれど、第二次過程思考の人でも
非常に疲れていたり、
手術後など痛みの激しいときなどは、
第一次過程思考しか出来ません。
そういう時に抽象的な話をしても伝わらないので、
具体的に話をしなければなりません。


また、統合失調症の人も一般に
一次過程思考しか出来ないといわれており、
その場合、会話の内容は具体的にする必要があります。


ちょっと話がそれましたが、ようするに自我は
注意力・集中力・記憶力を駆使して、
情報を統合して思考するという第二次過程思考
をする力を支えているのです。


そして、この事が、行動の予測と結果についての
判断を助けています。自我が弱いと、行動を予測して
その結果どうなってしまうかを考える事が
出来ません。


また、自我は自己と自己以外の世界の区別を
しています。これを自我境界といいます。
この自我境界が壊れにくい人というのは、
「私は私」と思える人だそうです・
そういう人は、自我境界が崩れることは
めったなことではないそうです。


あとは・・・・
昨日書いた、運動筋肉のコントロールで行動をする事、
また、自己を守る事も自我の機能です。


ということで、ようやく1回分の授業を
まとめ終わりました。
疲れました。でも、テスト前、このカテゴリーを
活用しようと密かにもくろんでおります。