納得が出来るか?

危篤時の看護の授業の
グループワークがありました。
そこで、脳死尊厳死安楽死植物状態
定義について調べるというような課題を
担当することになりました。


脳死も、尊厳死も、安楽死
結構マスコミで話題になったので、
それなりに知っていました。
ところが、それらの話題に絡んで出てきた
植物状態というものについては
良く知らないままでした。


今回、植物状態の診断基準を知って、
私は結構驚きました。


定義は、


重篤脳損傷を受けた患者が、
 昏睡状態から開眼できる状態まで回復したものの、
 周囲との意思疎通を完全、
 ないしほとんど完全に喪失したまま
 長時間生存し続ける状態。」


って言うもので、
これは、別になるほどって思います。
で、診断基準っていうのは、


***診断基準(1976年日本脳神経学会)***
1.自力で移動できない
2.自力で摂取できない
3.尿・便失禁状態にあり
4.目で物を追うが認識できない
5.「手を握れ」「口を開け」などの簡単な命令には応じることもあるが、それ以上の意思の疎通が出来ない
6.声は出すが意味のある発語は出来ない


以上6項目を満たす状態が改善せず、
三ヶ月以上経過した場合を植物状態と定義している。


ってモノなんですよ。
声を出したり、目でモノを追ったり、
命令に応じることもあるのに
植物人間って言われても、
身内として納得が出来るか?って言うと
多分、到底納得いかないだろうなぁって
思うんですよ。


さらに、アメリカの診断基準で行くと
もっと納得できないように感じます。


1993年アメリカ神経協会倫理委員会の診断基準の一部抜粋
・原始反射や自発開眼はあってもよい。
・笑ったり、眉をしかめたり、
 泣いたりすることもあるが、
 外界からの刺激への反応ではない。
・吸引、嚥下などの原始反射、対抗反射、腱反射は残っている。
・不快な刺激に対する不完全な動きは見られることもある。
・血圧の維持、心肺機能は正常であり、膀胱直腸症状は存在する。


ってこの状態で
「植物人間です。
 このまま回復の見込みはないです。
 どうしますか??」

って聞かれて

 「治らないなら、生命維持につながることを止めてください」


と言えるか??って思いました。
笑ったり、泣いたりしていたら、


「もしかすると回復するかも知れない」


って思うのが人情です。
到底、諦めることは出来ないと思うんですよねぇ・・・。


学校の皆も、今回調べて一番ショックだったのが
この植物状態の定義だったようです。
いやぁ、私も久々にびっくりしました。