アルコール依存症その3

意思の力で辞められないアルコールを
どうやって辞めるか?
これは、セルフヘルプグループ(自助グループ)と
いうものが有効だといわれています。


まぁ、「断酒会」とか「依存症の会」とか
同じ疾患に苦しむ患者会みたいなものです。


さて、アルコール依存症のセルフヘルプグループが
始まった歴史というのをご存知だろうか?


国は分からないのだが、西洋で始まった話みたいです。
アルコールに溺れた外科医と新聞記者(もしくは証券マン?)
が街で出会った事から始まったそうです。


二人は、アルコールをやめられない苦しみを共有し
「毎日会おう」と約束し、次にあう時までの
24時間、お酒を我慢しようと約束したそうです。
そして、二人は、アルコール依存症から抜け出す事が
出来たのです。


ってこう書くと簡単ですが、まぁ、この二人にも色々な
試行錯誤があったかと思いますが、要するに、
会うことで、飲酒の機会が減らせ、孤独感を癒せるという
効果があったわけです。


自助グループは、飲酒機会の軽減、孤独感の軽減、感情の分かち合い
を提供してくれます。仲間の力ってすごいんですよね。


もし、自助グループ
同じ様にすねに傷を持つものが
集まってるだけじゃないか?
と思う人がいたら、それは、
大きな間違いです。


例えば、2年前に酒をやめた人がいます。
その人は、辞めて1年経った人の気持ちが分かります。
その揺らぐ気持ちや苦しさなどが理解できます。


そして、辞めて1年経った人は、
今、辞めようと決心している人の
気持ちが分かります。
その複雑な思いを受け止める事が出来ます。


そして、今、辞めようと思っている人の気持ちを聞くことで、
2年前に辞めた人、1年前に辞めた人は、
何故自分が酒をやめようと思ったのか
という気持ちを思い出し、
気持ちを新たにする事が出来るのです。


相互作用っていうか・・・・。
互いに影響し合えるんですね。
だから、自助グループってとっても
意味があるんですよ・・・。


でも、実は、これ、クリスチャンの信仰への道と
ちょっと似てるんですよ・・・。(笑)


5年前に受洗した人は、受洗して2、3年経つ人の気持ちが分かるし
受洗して2,3年の人は、受洗して1年目の人の気持ちが分かるし、
受洗して1年目の人は、受洗に迷う人の気持ちが分かるし、
受洗に迷う人は、教会に来て間もない人の気持ちが分かるし、
教会に来て間もない人は、教会に行きたくても行く勇気のない人の
気持ちが分かるし、教会に行きたくても行く勇気のない人は、
神様を信じるなんて馬鹿みたいっていう人の気持ちが分かるし・・・



そして、先に教会に来ていた人は皆、誰かが受洗したり、
初めて教会に来ると、自分が始めて教会に来た時のことや
受洗した時の気持ちが思い出せて、信仰が新たになるんですよね・・・


とまぁ、余談ですが、アルコール依存症に限らず
自助グループというのは、決してただ慰めあうだけの
グループではないんですね。


とても意味のあるグループですし、
そういうグループで頑張ろうとしている人が
もし、近くにいるなら、
是非、素晴らしい選択をしたと
ほめてあげてください。