痴呆の患者
痴呆患者自身が痴呆について相談する窓口がない
って知ってました?
私は考えたこともなかったです。
アルツハイマーやその他の痴呆の人が
相談窓口に電話をしても
家族の方に代わってください
って言われるんですよ。
これって考えてみたら
随分とひどい話なんですね・・・。
オーストラリアの政府の高官(?)だった人で
アルツハイマーと診断された人がいて、
アルツハイマーの国際学会で講演した人が
いて、その方は本も書いているそうです。
その講演を聞きに行った先生が
今日の在宅看護の授業の先生だったのですが、
その話をするとき、言葉を詰らせ、
眼が潤んで、泣きそうでした。
「アルツハイマーと診断されたら、
その時点から、誰もまともに
相手をしてくれないんですよ。
ひどい話ですよね・・・。
自分がどうなっていくか、不安なのに
相談の電話も取り合ってもらえない。
どんな気持ちなんでしょう・・・」
なんというか、この言葉を聞いて
考えさせられましたよ。
痴呆やアルツハイマー = 何も分からない
って思われているし、私自身もそういう思いを
どこかに持っているんだなと・・・。
彼らに心はあるし、失っていく自分自身を
恐れて、苦しんでいるのに、周囲からは
「ボケ老人」とひとくくりで
適当に扱われてしまうんですよ。
ひどく、残酷な話だと思ったし、
そして、自分自身もその残酷な意識を持った側の
人間だったことに、気づかされました。