千羽鶴

今日は、朝、担任が、
おはようございますという言葉を
搾り出すように言ったまま
後は声にならず、
カウンセラーの先生にバトンタッチとなった。



みな、教室でシーンとして
泣いている空気が苦しく
私は友人と場所を移動した。



ICUに実習に行っていた友人が
「看護師がね、『学生・・・』って言って
 いるのが聞こえて、私たちの誰かがへまを
 やらかしたんだと思ったんだ・・・・」


といった。


「でもね、『学生さん、休憩とって!』って言われて
 ケアの途中だったのに『いいから、行って』と
 言われて、全員が追い出されたとき、おかしいって
 思った・・・。きっと、私達がいたら困る患者が来るんだ
 って思って休憩に行ったら、先生に説明された・・・・」


ということでした。


Eちゃんが飛び降りたのは小窓からだった。
ほんの30センチぐらいの小さな窓で
どうやって大の大人がそこを通り抜けたのか・・・・




死ぬ直前まで、様々な人が彼女とすれ違っていた。
だから、誰もが、何故死のうとしていることに
気が付かなかったのか?
という後悔が残っている・・・・。



もし、彼女が身を投げたのが、人里はなれた
誰にも見つからない場所なら、誰にも止められなかったし、
きっとこれほどの無念さは残された人の中に
残らなかっただとうと思う。


でも、死ぬほんの数時間前まで
たくさんの人が彼女を目に止めていて、
飛び降りた場所も、毎日生活する場所で、
第1発見者が通行人という人通りがある所に
落ちていった彼女は、どんな思いだったのか・・・・。



明日、お通夜がある。
鶴にそれぞれメッセージを書いてみんなで
折った。


千羽の鶴もみんなで折るとあっという間に
出来上がるんですね・・・・
明日彼女と一緒に燃える鶴を今日、一生懸命折る事で
折りながら、美人だった彼女を
「美人薄命を地で生きたやつだなぁ・・・」と
笑えるほどまでになっていった・・・・。